泉屋博古館分館にて昨日より開催された木島櫻谷展を観てきました。
明治から昭和にかけて活躍した京都の日本画家。竹内栖鳳などと同時代に活躍された方です。
今回の展示は高く評価された「動物画」を中心とした展示です。京都で昨年の秋に展覧会が開かれていて、それが東京にやってきまして実物を観るのを楽しみにしていました。
本画も素晴らしかったし、写生帖や大下図も展示されていて、あまり広くない会場なので展示数は多くありませんがじっくり楽しめました。テクニックも素晴らしいですが、とにかく徹底した写生を重ねた方のようですが、一方で動物に対するあたたかなまなざしも感じられます。本画になると観ている者に動物の表情が何かを語っているような物語性を感じます。
昭和初期に事故で亡くなっていますが、明治〜戦前のいい時代に生涯を送った、画家として幸せな生き方をされた方なのではないかと思いました。また京都の方なので(戦争で焼けるようなことなく)自宅やアトリエ、画材などがそのまま残されたことも幸せな方だなあと思いました。
都会のど真ん中でも早咲きの櫻が咲いていました。ビルの谷間でも桜が咲いているのを見つけると嬉しくなるのは日本人ならではですね。