幻の画家 不染鉄 東京ステーションギャラリー(20170723)

体調不良でしばらく外出を控えていました。

リハビリを兼ねての?久しぶりの外出は東京ステーションギャラリー。

「没後40年 幻の画家 不染鉄(ふせんてつ)」

いやいや、ものすごく良かったです!

全く名前を知らなかったのですが・・。こんな方がいたのですね。明治〜昭和を生きた日本画家。

いままで美術館での回顧展は21年前の一度だけだそうです。

独特な絵なのですが、鳥瞰・俯瞰な目と接近した目の複眼、その独自の目線がほかにはない絵画の世界となっています。

民家を描いた作品も多いのですが、そのまなざしが温かい。市井の人々の生活やうつろいゆく日本の季節、日々の小さな営みを温かく、ときにユーモラスに描いています。まだテレビもない時代の静かでのんびりした普通の生活がそこにはあります。そしてなんとなく郷愁を誘うのです。

この画家は一時、大島に渡り漁師をしていた時期があるそうです。海が描かれていると、そこに蟹がいたり鮫が泳いでいたり、鯛かな?という魚が描かれていたり。細部を見るのも楽しいのです。

私は老境に入って描かれた「いちょう」という絵が特に心に浸みてきました。

会期中にもう一回行きたいです。

東京ステーションギャラリーは、東京駅の修復完了後にリニューアルされてからは初めて行きました。きれいで見やすくなったと思います。昔の駅舎の細部も再現されていて、建築物として見ても楽しめますね。綺麗なステンドグラスや凝った照明がありました。