友人から「Away」というアニメ(映画)を観てとても感動したとメールが来た。
詳細は知らなかったが、バイクに跨った少年の絵に見覚えが会った程度で、他は何も知らなかった。
アニメならなんでも好きというわけでもない。話題だからとりあえず観に行く時もある。でも感想は「普通だなあ」。特に何か残るというわけでもないものもある。
なんとなくこの映画はいいかもと嗅覚が働いて、予告編もイントロダクション的なものもあえて見ずに真っ白な状態で映画館へ行った。
結果、とても好きなアニメだった。素晴らしかったと思う。友人、教えてくれてありがとう(笑)。
万人向けなのかは、アニメは得意ではないのでよくわからないが、あくまでも個人的な感想。
一切「しゃべり」「語り」セリフのない作品。映像と音楽と音響のみ。そこがよかった!潔い。
昨今の日本のアニメの「アニメ声の声優さん」が苦手で・・(個人的な感想です)、声がなくても十分に説得力のある作品だった。
映像が素晴らしくて、これも好みだった。
アニメとはいっても、いろんなタイプのアニメがあるし、コンピューターを使って実写かと見まごうばかりの仕上がりにもできる。今や、やろうと思えばなんでもできる。
この作品の3Dっぽくない、2Dな感じを残したフラットな色面構成的な画面作りがとても好きだった。でも、とても美しい。色彩計画というか、いろの選び方がとても上品。ガチャガチャした派手な色ではなく落ち着いた色選び。洗練されている。
主人公は一切しゃべることはないし、心の声もない。でも見ていれば彼が何を話しているかわかる。気持ちがわかる、伝わる。
あとは音楽と、風の音や木々のざわめきや水の音などの音響、そして鳥のさえずり、バイクの音などが美しい映像と一緒になってアニメの世界が動き出す。
ストーリーは飛行機事故で生き残った主人公が生き抜こうとする冒険譚だ。話は単純なものだが、生きるために前に進むという哲学がいい。複雑な伏線などない。「生きろ」というシンプルな哲学がベースにある、それだけで十分だなと思った。そしてかわいい相棒。飛べない小鳥を相棒に彼はバイクを飛ばす。鳥好きさんも胸キュンな映画。
2019年から2020年にかけての映画祭で多くの賞を獲っているそうだ。作家はラトビア出身の若手の方、一人で3年半かけてPCで作品を制作したという。すごいなあ。