マイケル・ケンナ写真展(20190103)

恵比寿の東京都写真美術館で開催中のマイケル・ケンナ写真展。

マイケル・ケンナを知ったのは1980年代でした。

今はなき銀座の洋書店です。モノクロの風景に惹かれて手に取った写真集。もちろんその写真集は家にあります。人はいっさい出てこないモノクロの風景、水墨画のような、それ以上に余分なものは一切排除され考え抜かれた構図・・絵画のようでさえあります。どうしたらこんな写真が撮れるのだろうと思っていました。

当時はネット社会でもありませんし、簡単に色々なことを調べられなかったわけですが、でも写真家マイケル・ケンナは私のお気に入り写真家になりました。この私が気づくくらいですから、有名な写真家なんだろうな・・・と思っていました(笑)。その後も書店で新たに写真集が出るとチェックはしていました。そしていずれ本ではなくオリジナルプリントで観てみたいものだと思っていたのです。なかなかそのチャンスはありませんでした。

今回、なんと日本初の回顧展だそうです。念願叶ってオリジナル・プリントを観てきました。量質ともに大満足です。しかしやはり本とは色味が違うものですね・・。

今回、写真撮影可の部屋がありましたので、数点写真家の写真を撮るということをしてきました。あくまでも記録用ということで、こちらに出させていただいております。近年はヌード写真も撮られております。

また強く印象に残ったのは、10年以上かけてヨーロッパ各地のナチス強制収容所を記録した写真の数々でした。特別展示でこれが観られたのはとてもよかったです。

いまやスマホで誰もが簡単にそれらしく写真が撮れる時代、それはそれでいいのですが。

なんでも簡単にできるデジタルとは違う手のかかる面倒なアナログの世界・・写真に限らず絶対になくならないでほしいなと思う今日この頃。